最新型の田植え機がやってきた!

8月5日、興陽高校に最新型の田植え機がやってきました。学校で導入したのは、ISEKIの8条植え田植え機「さなえ NP80」で、GPS直進アシスト機能と可変量施肥機能を有しているのが大きな特徴です。GPSセンサーは屋根の上にあります。また、車輪にECメーターが設置されており、田植え時に土中の肥料濃度を測定し、肥料成分の多少に合わせて施肥量を調整して施肥することができます。これによって施肥量を節約することが期待できます。なお、6月28日にヰセキ中国の協力によりデモ機で行った田植えでは、20%程度の減肥効果が確認できました。来年度は、この最新型田植え機を活用して、環境に優しい農業&スマート農業を実践していきたいと思います。

トマトハウスに環境制御装置を設置

8月1日、雨よけハウスにDIYで制作したアルスプラウトシステムの環境制御装置を設置しました。制御対象機器や外部気象センサーとの接続、クラウドサービスとの連携などのセットアップ作業は8月26日に実施し、9月からのトマト栽培に活用する予定です。温度・湿度、二酸化炭素濃度、日射量、土壌水分量、EC値を測定することができます。ハウスの外には外気象センサーがあり、温度・湿度、照度、感雨、風向・風量を測定することができます。

笑味ちゃん天気予報で農業機械科スマート農業を紹介

7月25日、笑味ちゃん天気予報で、興陽高校農業機械科のスマート農業の取り組みが紹介されました。

ホームページの女性スタッフリポートのページにも掲載されていますので、こちかも是非ご覧ください。ココをクリックすれば見られます。

農業機械科が取り組むスマート農業

農業機械科では、スマート農業で注目されている温室の環境制御について勉強しています。7月16日、農業機械科3年生がその取り組みについてRSKの取材を受け、課題研究の授業で製作している装置の説明をしました。この時の様子はココをクリックすれば見られます。実際に取り組んだ内容は、下記の①〜⑤です。①水分センサーのデータを読み取るプログラム( Python )の入力
②制御盤の製作 ケーブルの配線作業
③ライブカメラによるストリーミング
④スマートフォンで温度、湿度データを読み取る操作
⑤スマートフォンでハウスのビニール巻き上げ装置を制御する実験製作している環境制御措置は、汎用性コンピュータ(ラズベリーパイ)をベースとし、センサーやリレー等により構成されています。インターネットに接続することで、学校から離れた場所からライブカメラで観察することができ、スマートフォン用のアプリを使って温度や湿度や明るさ、水分状態を遠隔地から把握することもできます。更にかん水やカーテンの開け閉め等を制御することもできます。農業機械科では、これから広まる農業分野のIOTについて勉強しています。なお、この取り組みは、JA共済連からの支援を受けて実施しています。

 

Airレジを使った販売実習

7月5日(金)、今日は、興陽高校アンテナショップ とれとれ市場「たまこ」の販売日です。(「たまこ」の営業時間はココをクリック)定番の人気商品である平飼い有精卵(1パック 300円)に加え、トマト、ナス、各種草花の販売を行いました。写真は、今日の販売担当の造園デザイン科3年生が、販売終了後に売上金の確認をしている様子です。ちなみに本日の売り上げは約27,000円でした。さて、本年度から興陽高校では、スマート農業の一環として、Airレジを導入しています。写真にもコンパクトなAirレジが写っています。Airレジ(エアレジ)とは2013年からリクルートが開始したタブレットレジサービスで、無料で活用することができます。このシステムにより、確実な会計処理ができるようになり、売り上げ分析も可能になりました。どんな品目が売れ筋なのか一目で分析できるため、多くの店舗で積極的に導入されています。学校では販売実習で使用し、年間の売り上げ動向等を把握します。

スマート農業による未来の農業を支える後継者の育成

令和元年度、興陽高校はスマート農業による未来の農業を支える後継者の育成テーマに掲げ、県の新規事業「高等学校魅力化推進事業」としてスマート農業学習プログラムの開発に取り組んでいます。以下にその概要を示します。
(1)GPS機能を有する農業機械の活用と施肥技術の改善(学校独自予算)
    ◇ヰセキ農機のGPS直進アシストと可変量施肥のできる最新型の田植え機の導入
    田植え時に電気伝導度(EC)を測定し、残存肥料を差し引いて均一な施肥を実現
    する。減肥効果が期待でき、倒伏防止にもつながる。
(2)ドローンの操作と画像解析(JA共済連支援等)
    ◇リモートセンシングおよび葉色解析サービス
   専用ドローンを使って水田の上空から撮影した写真を画像解析し、稲の生育状況を分
   析するサービス(ファームアイ(株))を利用する。これにより水田の肥料成分のば
   らつきを把握し、肥料代の節約、生育揃い向上等の生産性向上のためのデータを収集
   する。
   ◇学校所有のドローンで水田の上空から撮影した写真を使って、葉色分析をするシス
   テム(スカイマティクス(株) いろはシステム)を利用する。これにより稲の生育
   状況を把握し、収穫適期を判断する。リモートセンシングで得られたデータと比較
   し、学校の授業で活用できる生育診断ツールとしての可能性を検討する。
(3)GAP認証用アプリの活用(JA共済連支援等)
 ◇タブレットを2台導入し、GAP実践に必要な農作業の記録(施肥管理、栽培管
    理、農薬散布等)を農場アグリノート(経営日誌アプリ)を使って実践する。1台
    は管理者用、もう1台は生徒用である。GAP教育の一環として作業記録の共有化を
     図り、作業の効率化に繋げる。
(4)ドローンを使ったプログラム学習(JA共済連支援等)
   ◇プログラム学習の一環としてプログラム言語スクラッチによるドローン制御につい
   て学習する。農業分野における環境制御の学習に繋げる。小型ドローン(tello)、ノ
    ートパソコン
 (5)環境制御アルスプラウトシステムの導入(JA共済連支援等)
      サイドビニール、内張ビニール自動開閉装置  自動かん水装置
   ◇校内パイプハウス内(トマト栽培ハウス)に低コスト環境制御システム(アルスプ
   ラウトシステム サカタのタネとワビット(株))を導入する。このシステムはUE
   CS(ユビキタス環境制御システム)により、暖房機や換気装置等をコンピュータで
   制御でき、インターネットを経由して遠隔地から制御することが可能となる特徴があ
   る。比較的低コストでそれぞれの栽培環境に応じた対応が生産者自身で調整できる特
    徴がある。このシステムの導入により栽培環境をリアルタイムに把握でき、より最
    適化された栽培環境を実現できるようになると共に、農業の働き方改革にも繋がる
    次世代の農業技術である。近年、導入の進んでいるこのシステムを教育現場に導入
    し、教材化を検討する。
(6)普及型環境制御システムの開発(JA共済連支援等)
      ラズベリーパイ、センサー等  タブレット・ルーター  実験用ハウス資材
  ◇ラズベリーパイ(汎用コンピュータ)と各種センサーやリレー等で構成される農業
   学習に活用可能な簡易型環境制御装置を製作する。市販のIOTアプリ「BLYN
   K」を活用し、遠隔地からのハウス環境情報の把握と灌水等の環境制御を行う。スマ
    ート農業の教材としての活用を想定しており、専用の実験用ハウスを設置して、実
   証試験を行う。なお、学校の公開系ネットワークではプロキシ接続の問題があるた
   め、一般農家での使用環境同様にグローバルIPを持ったポート開放機能のあるネッ
   トワークの活用を検討する。
用語について
※1 スマート農業とは、ドローンや無人トラクター、ICTやIOT、AI、クラウドサービス等を活用し、省力化や高品質生産を目指す次世代型農業のことを言います。
※2 リモートセンシングとは、対象物に触れることなく、離れたところから形状や性質などを観測する技術のことを言います。ここではドローンで撮影した画像を解析して、植物の栄養状態を把握し、経営に生かす技術のことを言います。
※3 環境制御とは、農作物の栽培環境や生体情報を「見える化」(環境モニタリング)し、温室内の温度や湿度等を制御し、最適化を図ることで、生産性、収穫量・品質の向上に役立てることができます。

最新型の田植え機を学ぶ

6月28日、29日と興陽高校の水田に最新型の田植え機がやってきました。本校が購入する予定の最新型の農業機械です。この田植え機にはGPSを活用して直進をアシストする機能が付いており、初心者でも真っ直ぐに揃った田植えができます。また、田植えをしながらリアルタイムで車輪間の電気伝導度(EC)を測定し、田んぼの肥料濃度が均一になるように施肥をする機能が備わっています。この日の実習で酒米「雄町米」を1.5ヘクタール植え付けました。肥料岡山米コートO22-1号(20-12-12)を10a当たりN30kgを施肥目標に設定し、田植えをしながら施肥をしました。その結果、従来なら23袋必要な肥料が、約6袋も少なくて済むなど、この田植え機の減肥効果(もともと肥料濃度の高い場所への施肥量を減らせる特徴)を実感することができました。28日には、興陽高校農業科作物類型の3年生と真庭高校食品科学科の2年生が、「酒米&日本酒づくり」の学校連携として田植え実習を行い、この最新型の田植え機を活用しました。また、県下の農業高校8校で作物を指導している農業教員の勉強会も同時に行い、ヰセキ中国のご指導をいただきながら、これからの米作りの可能性について具体的に学ぶことができました。そして29日(土)には、毎年恒例のファミリー稲作を実施し、参加した子どもたちにも最新型の田植え機を実際に運転していただきました。